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島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

調律師の必需品大公開「第10回 のこぎり・やすり」

みなさんこんにちは。
靴底を擦り減らし、自分の身を切り、様々なネタを赤裸々に提供するのが快感になりつつある工具フェチな、島村楽器ピアノセレクションセンター 調律師ナカウチです。

前回の「整調工具と供に歩む道具たち」の特集、いかがでしたか?

今回は木工加工作業には欠かせない「のこぎり・やすり」特集です。

ピアノ調律師に鋸(のこぎり)や鑢(やすり)は不似合いだとお考えですか?確かにちょっと違和感があると思います。でもよく思い出して下さい。

ピアノの材料は何でできているでしょう?
木材、金属、布、皮、フェルト等などです。とにかく加工して形を整えないといけない部品がいっぱいあります。

すでに完成されているピアノにのこぎりややすりを向ける事はあまりありません。
でも部品交換などをする時には、「1台1台個性のあるピアノ」の「1つ一1つ微妙に形の違う部品」を加工して作り出して行くために、刃物だけでなく「のこぎり」や「やすり」を使わないとうまくいかないんです。

大工さん?家具職人さん?いえいえ、ピアノ調律師です。

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のこぎり・やすり・カンナ大集合!

日常的に持ち歩いている訳ではないのですが、工房には常備しております。
右から両刃鋸、底引き鋸、バルサ鋸、ポケノコ、棒鑢平、棒鑢半丸、棒鑢丸、紙ヤスリ各種、金ヤスリ、カンナ、大鉋、金鋸。

こんなものまで使うのかな?と思うような物までありますが、活躍している物ばかりです!

木材加工の王道 ノコギリ

ピアノを一から組み上げる時にはもちろん必要になりますが、消音ユニットの取り付けとか、ハンマーシャンクの交換、等など各種作業でのこぎりは必要になってきます。
まぁ〜、さすがにお客様のお宅でのこぎりを使い始める時には大抵ビックリされるので、かなり気を使いますね。(笑)

ちなみにのこぎりですが、使う用途によって色々な種類を使い分けるのですが、もちろん使い方も種類によって違います。
押して切る物もあれば、引いて切る物も。上手くのこぎりを使いこなせる様になってやっと一人前の木工系調律師になれるのかもしれません。

口説き上手は削りも上手い? 棒ヤスリ


木材加工、金属加工の要とも言えるやすりがけ。大まかな加工から細部に渡る仕上げ作業までこなします。
鍵盤の表面を張り替えたり、ピアノのアクションの部品の薄紙一枚程の誤差を修正したりする時に使用します。
基本的にほとんどの棒ヤスリは、押して使います。最後の押しの一手がその作業の出来映えを大きく変えてしまう事もあります。
ある程度の押しの強さも必要ですが、力加減が重要です。女性を口説くのと同じ要領だと自負しております(笑)

紙やすり

ピアノ技術者に一番愛されているヤスリは紙ヤスリかもしれません。
外装の傷修理、ハンマーフェルトのファイリング(ハンマー整形)、鍵盤側面の汚れ落し、などなど。
調律師の工具カバンに必ずと言っていい程常備されている紙ヤスリ。色々な場面で調律師を助けてくれますし、パンパンに膨れる工具カバンに入れて持ち歩いていても量張らないし、重くない。まさに万能な紙ヤスリです。

究極の玄人向け工具 カンナ

ピアノ修理の現場というよりはピアノ製造の現場で活躍の機会の多い工具、鉋(カンナ)。
使用方法、工具のメンテナンス、使用者の技量、全てが試される工具です。
見よう見まねで使いこなせる様な物ではありませんが、その活用範囲、仕上がり、どれをとっても最強の木材加工の工具です。
大工の世界では鉋が使いこなせてようやく一人前だなんて言われるようです。
一人前の木工職人にはなれないかもしれませんが、いつかは使いこなしてみたいものです。


加工系調律師の異常なまでの工具への執着心が一気に大噴出してしまった感もありますが、今回の「のこぎり・やすり編」いかがだったでしょうか?

次回は「調律師の工具/番外編」といたしまして、いままで紹介しきれなかった工具たちを私ナカウチが自分の身を切ったり削ったりしながら赤裸々にご紹介できればと思っています。
どうぞお楽しみに!

島村楽器ピアノセレクションセンターについて

ピアノセレクションセンターは、専用工房を併設したアコースティックピアノ専門のショールームです。
フロアには、新品・中古ピアノ、アップライト・グランドピアノを合わせて常時100台以上を展示しております。また、専用工房ではピアノの調整・点検・修理を行い、アフターフォローにもお応え致します。

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