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島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

マイスターモテキ ドイツ時代のお話 その4「驚きのマイスター学校!」

みなさん、とってもお久しぶりでです、、、(汗)。ヴァイオリン工房のモテキです。

約1年ぶりの更新ですが、前回までのお話を覚えていらっしゃる、、、、、
わけはないですよね(滝汗)。

マイスター試験の予備校!?

予備校というと、大学受験などに代表される進学予備校を思い起こされる方も多いかもしれません。
ですが、マイスターになるための予備校はそれとは若干違います。
どちらかというと自動車教習学校寄りでしょうか。
独学で受けられなくもないけど、予備校で学んだほうが効率的かつ確実性があるんです。
マイスター試験は、各職業の専門分野に特化した試験だけではありません。
経営者になるための実用知識の試験もあります。
そのため、予備校の授業は、簿記、経済、法律、教育学(次世代養成)が主な科目でした。
これらはドイツ人の手工業者でもほとんど未知の勉学ですので、
独力での合格は困難といえるでしょう。

予備校の運営および生徒募集は、試験の作成・実施をしている【ドイツ手工業者協会】が行なっています。
受験料も予備校の学費もすべて有料で、日本円にすると約30万円。
これが結構な痛手でした。

なけなしの金をはたき、ようやく入学。

予備校の講習コースは大きく分けて、月〜金での『全日制3ヶ月集中コース』or 働きながら『夜間&週末10ヶ月余裕コース』の2つがあり、私は当初、3ヶ月集中コースを選びました。

苦手なドイツ語も短期勝負で一気に!と考えていたのですが、そうやすやすと行くはずがありません。

最初の1ヶ月で挫折してしまい、結局、10ヶ月コースに切り替えました。

はじめから講義の内容が理解できないので、授業中は分厚い教科書を一人でひたすら翻訳していただけでした。

訳した文章からやっと内容を理解して覚える作業に入れるわけですから、習得するまでにはおそらくドイツ人の3〜4倍の時間が掛かったと思います。

勉強漬けのつらい日々、、、、ばかりではございません。
予備校は、手工業者協会の本部センターと同じ敷地内にあり、ほかにも技能訓練センター、図書館、食堂×3、寮までもが完備されていました。
立地は、街に隣接する湖のほとり。それはそれはすばらしい環境でした。

写真右下レンガ色の建物が、手工業者協会(Handwerkskammer)の本部と学校

バラエティーに富みすぎた教室風景

同級生には、19歳の道路作業工がいれば40歳近い家具職人もいる。
教室を見渡せば生徒の顔ぶれはさまざまです。
ほとんどがドイツ人でしたが、永住権を持つポーランド人やロシア人もいました。
東洋人は私だけでしたけれど。
授業中に驚いたことといえば、積極的に発言する人が多いということ。
本の学校ではあり得ない光景でした。
しかも、挙手して起立してから発言する、、、というような堅苦しいものでなく、、
座ったまま個人的な疑問点も講師にドンドンぶつける、、
といった感じです。
講師も良く喋るし答える、、しかも頻繁にジョークを連発、、、
ですから生徒も調子に乗りすぎることもしばしば、、、、

授業前にかるく一杯!?

そんなある日のこと、、
いつもジョークがくど過ぎる年配の配管工のおじさんが、授業中 突然講師に指摘されました。

「あなたいつも顔が赤いようだけど、教室に来る前にアルコールをたしなんでいるんじゃないか?ろれつも回っていないし、、」

と真剣に怒りだしたのです。
これには、おじさんも赤ら顔で応酬。
講師の教え方が悪いだのと悪態をつき、最後には開き直って「1+1=ゼロだろ、違うか!」と意味不明な暴言を吐き、その場にいた生徒全員に総好かんをくらい、自ら教室を出て行ってしまいました。

おじさんは勉学のストレスからか、毎日、予備校内食堂で販売しているビールを一杯ひっかけてから、講義を受けていたようです。

私からすれば、予備校内でアルコール(ワインも有り)を販売しているのもどうかと思いましたけど、(苦笑)。

(つづく)

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