島村楽器公式ブログ

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ギターの状態をチェックしてみよう!第2弾 ポット・ジャック編

私事ですが、自宅PCを新調しました…

こんにちは。この冬はDTMにチャレンジしようと目論む長野K'sスクエア店スタッフのニシナガです。
昨年末、ニシナガは入社当初(約5年ほど前)に購入したノートパソコンの性能に限界を感じ、PCを買い換えました。
最新モデルのPCなら自宅でも快適にDTMDAW)ソフトが動くはず!!とDTM導入に興味津々です。

みなさんは今年なにかにチャレンジしよう!!と決めているものがありますか?
目標を持つと1年が楽しくなりますよ。
まだなにもない……という方がいらっしゃいましたら、ニシナガと一緒にDTMを始めましょう!初心者仲間ができたら、とってもうれしいです!

すでに目標が決まっている方は、是非それに向かって頑張ってください!

今回はギターの状態チェック第2弾です!!

さて、前回は「ギターの状態チェック第1弾」としてネックの状態をチェックしようという記事を書きました。

今回はその第2弾!
「ポット・ジャック編」をお送りします。

それではさっそくギターを持って、パソコンの前で一緒にチェックしてみましょう!!

ポット・ジャックに多いトラブルって?

ポット・ジャックについてまわるトラブルの多くはこんな感じじゃないでしょうか?

  1. 久しぶりに押入れから出したギター、ヴォリュームを上げる途中でノイズがガリガリッ・・・
  2. ジャックに挿したケーブル(シールド)のあたりから、ノイズがガリガリ…
  3. そもそもまったく音が出ないんですけど・・・

どうですか?
「あ〜あったあった!」なんて声が聞こえてきそうですよ〜。

実際、お店にお持ち込みいただくギターの多くが、このような症状です。
どうしてこんなトラブルが起きてしまうんでしょうか?

ポットのノイズはどうして発生するのか?

まずは、

1.久しぶりに押入れから出したギター、ヴォリュームを上げる途中でノイズがガリガリッ・・・

から見ていきましょう。

普段、当たり前に操作しているヴォリュームやトーンのポット。
ギターに配線されていない状態ではこの様になっています。


このポットの内部構造は非常にシンプルなものになっており、ポット内部の1番外側をカーボンの抵抗が通っています。

ツマミを回すことによって、抵抗の上を通っているワイパーが動いてボリュームやトーンの数値が変わる様になっているんですね。
この抵抗部分の劣化によってノイズが発生するんです。

抵抗部分の劣化には様々な原因があります。例えば・・・

  • 汗や水分が入り込んでしまい、サビが発生。
  • ホコリが入り込んでしまい、固着してしまった。

などなど。
突然のトラブル、困っちゃいますよね!
でも、ちょっとしたノイズなら応急処置が可能な場合も多いんですよ!!

ポットのノイズに応急処置をしてみよう!!

ポットのノイズの応急処置にはこのようなアイテムを使います。
じゃじゃ〜ん!

メーカー 商品名 販売価格 コメント
E.D GEAR CR1 ¥800 接点復活剤

接点復活剤は「ジャックやスイッチ部分などの接点を復活させ、絶縁不良を回復させる洗浄剤」です。
使い方は簡単です。このポットの抵抗が入っている隙間から『少量』を吹き付けます。
抵抗が入っている部分に吹き付けるためには、ポットを取り外して下さいね。

注意)写真はスプレーする箇所が分かりやすい様に配線や、固定してあった箇所から外してあります。

吹き付けたあとはクルクル〜ッとつまみを数回動かします。
この時、端から端までしっかりと回転させるのがポイントです。
注意すべきポイントは、多量に吹き付けないことです。
多量に吹き付けてしまうと、残ってしまった接点復活剤にホコリが付着し、そこがノイズの原因になってしまうこともあるからです。
これで一時的にノイズが改善されることも多いのですが、しばらくして再発するケースも多いんです。

ポットは消耗品になりますので、このような状態になったときは、基本的にはパーツの交換をオススメします。

ちなみにポットは1個525〜945円くらい。取り付け工賃は基本料金で3,150円〜です。

日頃、こういったノイズを防ぐためにも「演奏後、ツマミを必ず0にする」ことも重要です。
ツマミを途中で止めたままにすると、その部分にホコリが付着してノイズが発生しやすくなってしまいますからね。

困った時は、最寄の島村楽器に持ち込んで、是非一度ご相談下さいね。

ジャックが原因なノイズは?

2.ジャックに挿したケーブル(シールド)のあたりから、ノイズがガリガリ…

この症状の原因はケーブルの端子側に原因があることもありますが、ジャックの接触不良にあることが多いですね。
ギターのジャックはこのような構造になっています。

シールドを刺した時はこのように接触しています。

ジャックの接触不良はこのあたりで起こることが多いですね。

この箇所の応急処置にも接点復活剤を使います。
でも、今回はちょっと使い方が違います。
直接スプレーせずに、綿棒などに吹き付けてから擦るように磨いていきます。

ジャックをギターに取り付けたまま磨いてもいいのですが、しっかりと汚れを取りたい時にはジャックを外してくださいね。


ジャックも消耗品ですので、こんな症状が出てしまったらできれば新品に交換した方が安心です。
ジャックは1個420〜630円くらい。取り付け工賃は基本料金2,625円〜です。

ちなみにこういった接触不良を防ぐには、シールドをジャックに刺す前にクロスなどのきれいな布でシールドの汚れを取ることが効果的です。
ぜひお試し下さいね!

音が突然でなくなっちゃった!そんな時は

3.そもそもまったく音が出ないんですけど・・・

これにはいくつか原因が考えられます。

そのギター・ベース、電池内蔵タイプじゃないですか!?

ギターやベースには「アクティブ」と呼ばれるタイプのものがあります。
例えば、ピックアップに電池を内蔵しているタイプやプリアンプと呼ばれる回路に電池を内蔵しているもの。

こういったタイプはジャックにシールドを刺している間は電池を消費してしまいます。
家で練習した後に、ケーブルを抜かないで寝ちゃったなんて時は、翌朝には音が出なくなっていたなんてこともあります。
アクティブタイプの楽器を使っている方はまずは新しい電池で試してみて下さい。
それだけですんなり解決!なんてことも多いですよ。

ジャックの配線が切れてしまっているかも!?

ギター・ベースの音は、

ピックアップ→ヴォリュームなどのポット→ジャック→シールド

を通じてアンプへと運ばれていきます。
よくあるトラブルとしては、ネジが緩んでしまったジャックを外から締めたら音が出なくなっちゃったとかですね。
これは、外からネジをしめた時に中のジャックが回転してしまい、配線が切れてしまったことによって発生します。
この場合、切れてしまった配線をハンダで再度取り付けることで解決します。
ただ、ちょっと気をつけるだけで発生を未然に防ぐことができるんです!

それは簡単!
ジャックが緩んだら、ジャックを固定している部分をギターから外して締め直す。絶対に外側だけで締めない。
これだけです。


ジャックだけでなく、ポットが緩んでしまうこともありますが、それも同様に固定している部分を外してから締め直して下さいね!

ちなみにジャックやポットなどを締め直すときには、ボックスレンチという工具が非常に便利です。

メーカー 商品名 販売価格 コメント
PICKBOY SC150BX ¥1,680 ナットの締め直しに便利なボックスレンチ

トラブルはこれだけ?

もちろん、ポット・ジャックに起きるトラブルはこれだけではありません。
これ以外にも、配線関係の接触不良や断線。パーツ自体の破損など様々な要因でトラブルが発生します。
そんな時にはすぐ、お近くの島村楽器までお持ち込み下さいね。
症状によってはお預かり後、しばらく時間を(数日〜数週間など)いただくこともございます。
ですが、しっかり直すことによって楽器のコンディションは改善されますので絶対に修理をお勧めします!

次回のお題は!?

前回・今回とギターに起こるトラブルについて記事を掲載しました。
次回は趣向を変えて、楽器のクリーニングについての記事を書こうと計画しております。
記事が完成するまでの間に何かご質問・ご相談などありましたら、お近くの島村楽器スタッフまでお気軽にお問い合わせ下さいね!

では、次回またお会いしましょう。長野K'sスクエア店、スタッフのニシナガでした〜!

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