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島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

デジタル楽器 2009秋の新製品予想結果

ノグチです。こんにちは。
前回ブログの中で、2009楽器フェアにおけるノグチの新製品予想キーワードを書かせていただきました。その直後、各楽器メーカーより続々と新製品の情報が発信されてきました。
デジタル楽器メーカーの御三家ともいわれる「ヤマハ」「ローランド」「コルグ」の秋の新製品の一部をご紹介しながら、私の予想が的中したか否かを検証していきたいと思います。

まずは、前回の予想キーワードを復習してみましょう。

これまでのバイヤー経験や販売状況などの分析から、このような「王道派楽器の範囲を飛び越えたマーケット」をターゲットにした製品開発は今後も続くのではないかと感じております。
以上のことから近々発表される新製品のキーワードを予想したいと思います。
* 「玩具性」
* 「鍵盤をモチーフにしたもの」
* 「復刻楽器」
特に「復刻楽器」については、昔は高くて買えなかったという心理がポイントになると思います。
ローランドならVariPhrase技術、ヤマハならVOCALOID技術あたりがキーポイントになるかもしれませんね。
コルグならKAOSSILATORのようなタッチ技術と自由な発想による玩具的楽器も飛び出して、アッと言わせてくれるのではないかと思います。

それでは、早速見ていきましょう。

ヤマハ

スタインバーグ Cubase Essential 5

パーソナルミュージックプロダクションシステム
Cubaseの入門グレードCubase Essential5がついにラインアップ!上位グレードのサウンドエンジンがそのままにPitch Correct、Beat Designerなどバージョン5の新機能を搭載。

スタインバーグ The Grand 3

究極のバーチャルピアノコレクション
5種類のピアノをモデルごとにClose/Playerの2種類のマイキングで収録(CP80は1種類)。搭載ピアノモデルYamaha C7・Bösendorfer 290・Steinway D・Nordiska・Yamaha CP80

スタインバーグCI2

アドバンスドインテグレーションUSBスタジオ(オーディオインターフェース
スマートサイズにフル機能!
コンピューターのUSB端子につなぐだけの簡単オーディオインターフェースCubaseコントロール機能も搭載。Cubase AI4も付属。すぐに録音がはじめられるコンパクトなシステムソリューションパッケージです。

ヤマハはスタインバーグ製品の足元を固めるラインナップ

今回、ヤマハから発表になっているデジタル楽器系の新製品は、すべてスタインバーグブランドのものになります。「The Grand3」については私の予想にある「鍵盤をモチーフにしたもの」にギリギリ引っかかっていたように思います。(ちょっと苦しいですが…)

ソフトウェア2点についてはどちらもメジャーバージョンアップという自然な流れによる新製品になりますが、一番の注目製品はやはりオーディオインターフェースのスタインバーグCI2でしょう。
思い起こせば、これまでのヤマハオーディオインターフェースといえば、GO46やAudiogramシリーズといったシンプルなものばかりでした。
また、昨年よりスタインバーグブランドとしてオーディオインターフェース MR816 やコントローラー CC121などが発売されてはいるものの、これらはハイスペックによる高価格帯にあることから、高根の花に感じている方も少なくはないと思います。
それに比べると、CI2はビギナー層をターゲットにしながらハイクオリティとスマートサイズを両立させたモデル。非常に魅力的に映ります。
CI2の市場想定価格は25,000円前後を予定しているとのことです。オーディオインターフェース市場ではトップシェアを誇るエディロールUA25EX(Cakewalk UA-25EX CW)の牙城を切り崩せるか?注目が集まります。

ローランド

ボス eBand JS-8

eBandは、ギタリストのために専用設計された新コンセプトのオーディオプレイヤーです。
お気に入りの曲を本体に取り込み、リビングやベッド・ルームなどで、取り込んだ曲に合わせてギター演奏を手軽に楽しめます。
もちろん本体には本格的なBOSSマルチ・エフェクトを搭載。それによる心地よいギター・サウンドで、さらに演奏を楽しむことが可能です。

ローランド SP-404SX

使い勝手のよいコンパクト・サンプラーとして高い評価を受けているSP-404のブラッシュアップ・モデル。さらなる大容量化&高音質サンプリングを実現し、エフェクトなどのサウンド・クオリティ、シーケンサーなどの機能面も大幅に向上しました。

ボス VE-20

ハイ・クオリティなディレイ/リバーブはもちろん、ダブル/ハーモニー効果やピッチ・コレクターなど、音楽ジャンルやボーカル・スタイルに最適化された、エフェクト・プリセットをセレクトするだけでボーカリストに効果的なサウンド・メイクを行うことが可能です。

ローランド BA-330

乾電池動作が可能なパワフルなポータブルPAシステム。最先端のデジタル技術で、電池駆動アンプの常識を超えた高音質と音圧感、ステレオ仕様のスピーカーによるワイドなサウンドを再生することができます。

問題解決型コンセプトと新たな切り口で市場を開拓するローランド

ローランドに関しては、完全に私の予想を裏切られた形になりました。(泣)
唯一、ボーカル専用エフェクターVE-20については、以前ローランドブランドで発売されていたVT-1というボーカル専用エフェクターの復刻と無理矢理こじ付ければギリギリ当たっていたようにも思います。(こちらも苦しい…)

ローランドVT1(生産完了品)

また全体的なローランドの開発トレンドで共通していえるのは「乾電池駆動」をセールスポイントとするものです。
現在、島村楽器でも大人気のシンセサイザーJUNO-Diも「電池駆動」が一番のセールスポイントであり、販売数も好調です。路上や出先でのライブなどを想定したミュージシャンがこれまで抱えてきた「電源問題」をクリアすることができるため、多くのお客様に選ばれているのではないかと思います。
実は今回紹介している上記4機種の中で「eBand JS-8」以外はすべて乾電池駆動できる仕様となっています。
今後も、この「乾電池駆動トレンド」はローランドの製品開発の問題解決型のコンセプトとして継続していくことになりそうです。

コルグ

コルグ WAVE DRUM (WD-X)

広いダイナミックレンジと高い表現力を持つ、すべてのクリエイティヴなミュージシャンのための、まったく新しいタイプのパーカッションシンセサイザー

コルグ microSAMPLER (MS-1)

鍵盤で録音ができるユニークなサンプリング方式、ループシーケンサー、内蔵エフェクトを装備し、リアルタイム・パフォーマンスにこだわった直感型インターフェースで本格サンプリングを気軽に楽しめるキーボード・サンプラー

コルグSV1 73 / コルグSV1 88


  • コルグSV1 73(写真上)73鍵盤モデル
  • コルグSV1 88(写真下)88鍵盤モデル

ステージで注目を集めるレトロ&フューチャリスティックなボディに、エレクトリック・ピアノ、エレクトリック・クラビコードに加え、最高峰のグランド・ピアノやコンボ・オルガン、さらには初期シンセ・サウンドまで、伝説的な名曲に使われ、現在でも多くの人に愛される定番のビンテージ・キーボードをこの一台に。
弾いた瞬間心奪われる、時を超越するキーボードです。

ユニークな切り口とこれまで築いてきた製品の歴史へのリスペクト

コルグの新製品のラインナップについては、私の予想にかなり近かったのではないかと感じております。
まずWAVE DRUM WD-Xについてはご存知の方も少ないかもしれませんが、コルグが1994年10月に発売したWAVE DRUMを現代の技術で復活させた「復刻製品」です。
当時のWAVE DRUMの販売価格は225,000円。当時は「欲しかったけど高くて買えない」という心理状態のお客様がほとんどでした。

コルグ WAVE DRUM(生産完了品)

今回のWAVE DRUM WD-Xは、島村楽器では49,800円(税込)で販売される予定です。当時の価格の4分の1以下ですので、人気が出そうな気配がプンプンします。

microSAMPLERは、サンプリング・キーボードというカテゴリーの製品になります。
サンプリング・キーボードというカテゴリーは、1980年代から90年代にかけて、カシオ計算機が安価な設定で発売し、人気を博しておりました。
カシオのサンプリング・キーボードの名器といえば「SK-1」や「FZ-1」などが挙げられます。特に「SK-1」は玩具性が非常に高い製品でした。


カシオ SK-1(生産完了)


カシオ FZ-1(生産完了)※これは個人的に私も使ってました。データの保存媒体は3.5インチのフロッピーディスクでしたよ…。懐かしい…。

最近のサンプラーのスタイルは、鍵盤ではなくパッドを使ったインターフェースが主流です。microSAMPLERは、実はサンプリング・キーボードというジャンル自体を「復刻」したとも捉えることができる製品なのです。

最後に

全体的な採点としては60点くらいでしょうか。(笑)
私の予想キーワードにある「復刻楽器」については、多少手ごたえがあったのではないかと思います。これまでのデジタル楽器の歴史に敬意を払いながら、最新の技術と新しいコンセプトやアイデア、ターゲットの絞込みなどのフレームで開発するという手法は、今後も進化していくでしょう。
また、「乾電池駆動」については見過ごしていたテーマであり、今後、注目される要素なのではないかと感じる結果になりました。

どの新製品も早いもので9月。それ以降10月〜11月の発売が予定されています。
これだけたくさんの新製品が集中的に発売になることは、年間を通しても滅多にあることではないので、是非お近くの島村楽器の店舗へご来店頂き、お試しいただければと思います。

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