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ピアノワンポイントレッスンVol.1「ピアノを弾く時の正しい姿勢(フォーム)について」椅子の座り方、正しい姿勢編

みなさん、こんにちは!
ミュージックサロン船堀店、ピアノインストラクターのモリサキです。
暑さもようやく峠を越し、さわやかな季節となりましたね。

さて今回は、ピアノを弾く時の基本フォームについて、チェックポイントをご紹介したいと思います!
椅子への座り方や姿勢、腕や指のカタチなどについて数回に分けて掲載致しますので、是非日々の練習の参考にしてみてください☆

理想的なフォームとは?

ピアニストであれ、アスリートであれ、効率的なフォームを追求することは、上達するうえで不可欠とされています。
そのため、非効率なフォームで練習を繰り返しても成果は上がりません。一流の演奏者や選手になればなるほど、効率的で美しいフォームをしているのです。
また、野球のピッチャーなどは、悪いフォームで投球することで肩を痛めてしまうケースもあります。
フォームのチェックは怪我防止の観点からも必要不可欠なものなのです。

ピアノはどうでしょうか?

腕や指の運動量や技術面からも、ピアノはスポーツに近いと言えます。
悪いフォームでの演奏を長時間行うと身体に負担がかかってきますので、腱鞘炎などを引き起こす可能性もあるのです。
また、正しいフォームを身につけ身体への負担を失くすことは、高度なテクニックをつける土台にもなります。

では、ピアノの理想的なフォームとは、どんなものでしょうか?
以下のチェックポイントで、確認してみましょう。

基本フォームのチェックポイント

1.椅子の位置

ピアノに近すぎると、腕の自由が利かず、思うような演奏が出来ません。
椅子の位置は、肘が胴体よりやや前にくるくらいがベストです。

椅子が近すぎて、腕の自由が利きません。



肘が胴体よりやや前にくる位置がベストです。

2.椅子の高さ

高すぎたり、低すぎたりしていませんか?
高すぎると腕が伸びてしまいますし、低すぎると肘が落ちしまいます。
腕・肩・手首など、余分な所に力が入りやすくなりますので、腕が水平になる高さに調節しましょう。

椅子が高すぎると、腕が伸びてしまいます。



椅子が低すぎると、肘が落ちてしまい、余分な力が入りやすくなってしまいます。



鍵盤に手を置いたとき、腕が水平になる高さに調節しましょう。

3.椅子に深く腰掛け過ぎていませんか?

ピアノは、腕の重さや上半身の重さを鍵盤に伝えるように弾くのが基本です。
深く腰かけてしまうと、重心のコントロールが上手くできません。
椅子には浅く腰を掛け、重心をやや前にかけましょう。

深く腰掛けてしまっているため、重心が後ろに傾いてしまいます。



浅く腰掛け、重心をすこし前に傾けましょう。

4.背筋

猫背になったり、背もたれに寄りかかったりしていませんか?
猫背になると肩に余分な力が入る原因になりますし、背もたれに寄りかかると上半身が自由に使えませんので、音楽に抑揚をつけられません。
背筋は真っ直ぐに伸ばしましょう。

猫背になっていると、肩に余分な力が入ってしまいます。



背もたれに寄りかかると、演奏表現をしづらくなります。



背筋はまっすぐに伸ばしましょう。

5.肩が上がっていませんか?

肩が上がると腕全体に力が入り、思うような音色が出せません。力を抜いてリラックスしましょう。

肩が上がってしまっているため、腕に力が入りすぎています。



肩の力を抜き、リラックスしましょう。


いかがでしたか?
いろいろと書きましたが、一番大切なのは、音楽表現に必要なあらゆる動きに対応できるよう、身体全体が柔軟に保たれていることです。
次回は、肘や指のフォームについてのポイントをご紹介いたしますので、是非参考にしてみてくださいね。

また、上記のチェックポイントは基本の基本、ほんの一例です。
体格や手の大きさなどによっても、人それぞれベストなフォームは違います。
ピアノを弾くと腕が疲れる、何度練習しても上手く弾けない‥‥等の悩みをお持ちの方は、ピアノ教室などにご相談される事をオススメします。
弾き方を変えるだけで、ぐっと演奏が良くなりますよ!

みなさんも、是非お気に入りの一曲を演奏されてみてはいかがでしょうか?

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